ワクワクフェスティバルに参加してくださった皆様へ

 2000年12月23日、名古屋市天白区の東名自動車学校において行われた水害復興ワクワクフェスティバルは、これ以上望めない好天のもと、大勢の参加者とそれを支えるボランティアグループにより大盛況に終わることができました。

 このフェスティバルの企画のきっかけは、自分の宝物であるオモチャと文具の全てを失い、また避難所では友だちもなく、ストレスにより元気をなくして、診療所を受診した5歳の男の子を再び明るく元気にしたいという思いから始まったのでした。

 一人の男の子の問題をとりもなおさず、この野並地域全体の問題として捉えなおし、大勢が集う”場”を提供することで、新たな元気というエネルギーを生み出してはじめて水害からの復興が可能になるのではないかと考えたのです。ですから、一人でも多くの人に、この主旨を伝える作業を直接、対面する手法と個人の資格によりこつこつと行うことにしました。そうすることにより、その思いを一人に伝え、その人が共感し、共鳴してくれた時には、今度はその人がさらに多くの人に伝えてくれる可能性を生むわけです。しかし、一個人の資格で広報活動を行うことは予想以上に困難であり、面会すらしてもらえないことも度々でした。たとえ、直接会うことができなくても、フェスティバルの目的である趣意書を置いてくることで、ひょっとして後で響いてくれるかもしれないと考え、日々広報活動を続けてゆきました。そうして、初めは、小さな輪が徐々にではありますが、大きくなり、しかも、目に見えない繋がり、ネットワークを形成しながら、当日のフェスティバルを迎えたように思います。

それは、まるで、池に小石を投げてみたら、その波紋はどんどん広がり、気がついてみたら太平洋のような大きな大洋だったというのに似ているかもしれません。

 結果として波紋により作られた大きな交流の”場”、そこは参加者もボランティアの区別もなく、被災された人も、被災しなかった人も、老若男女も、”場”に集う全ての人々が大きな”輪”の担い手の一人一人であり、その輪によって新たな明日へとつながるエネルギーを生み出すことができたように思います。

 時間がたって、しみじみ湧き上がってくる感がするのですが、個人として、その”輪”に加わることができたという喜びをかみしめていると同時に、直接、間接を問わず、このフェスティバルという”場”作りに貴重な時間と労力を費やし支援してくださった大勢の方々に、この場を借りて感謝の言葉を述べさせていただきますとともに、心よりお礼を申し上げます。ほんとうに、ありがとうございました。

          

                     ワクワクボランティア代表

                            谷口  和人

 
 



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